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手術室看護師(オペ看)の給料・年収|仕事内容と手当を一次データで解説

手術室(オペ室)で働く看護師の仕事・給料・年収を一次データで読み解く

手術室(オペ室)で働く看護師、いわゆる「オペ看」の年収を調べても、部署別の統計にはたどり着きません。厚生労働省・日本看護協会の公表統計では、配属部署別(手術室・病棟・外来)の給与集計は確認できません。判断の基準値になるのは、厚生労働省の調査による看護師全体の平均年収524万7,200円(令和7年賃金構造基本統計調査)です。オペ室勤務は夜勤が減る代わりにオンコール待機が増える職場が多く、手当の内訳次第で月収が変わります。仕事内容から収入のしくみ、年収を上げる方法まで、厚生労働省と日本看護協会の一次データだけで読み解いていきます。

  • 最終更新日:2026年6月
  • データ基準日:令和7年賃金構造基本統計調査(2026年3月公表)、2025年病院看護実態調査(2026年3月公表)、令和8年度診療報酬改定
目次

手術室(オペ室)とは|施設と働く場所としての基礎知識

手術室は、手術を行うために清潔度が管理された専用区域で、「オペ室」や「OR(Operating Room)」とも呼ばれます。看護師にとっては、専門学会と日本看護協会の認定資格がある、専門性の高い配属部署の1つです。

手術室の定義と役割(オペ室・ORという呼称)

手術室とは、手術を安全に行うために空気の清潔度や温度・湿度を管理した、病院内の専用区域です。

医療機器が集まり、麻酔科医・外科医・看護師・臨床工学技士など複数の職種がチームで動く場所でもあります。日本手術看護学会は、手術室看護に関する一般向けの解説コンテンツを公開しています(日本手術看護学会)。

手術はどのくらい行われているか|医療施設調査のデータ

手術の実施状況は、厚生労働省の「医療施設調査」で3年ごとの静態調査として集計・公表されています(厚生労働省「医療施設調査」)。令和5年(2023年)調査の概況も公表されていますが、施設数や件数の具体的な数字は原典の統計表で確認してください。

規模の目安として、小児専門の国立成育医療研究センターでは年間5,000件以上の手術が実施されており、手術看護認定看護師が手術室の運営やスタッフ教育に関与しています(国立成育医療研究センター 看護部)。

手術室で働く看護師=オペ看の位置づけ

手術室に配属された看護師は「オペ看」「手術室看護師」と呼ばれます。単なる配属先の1つではありません。

日本手術看護学会という専門学会があり、学会誌も発行されています(日本手術看護学会誌(J-STAGE))。日本看護協会の認定資格にも「手術看護」分野の認定看護師が設定されており、キャリアとして体系化された部署です(日本看護協会「認定看護師」)。

【用語定義】基本給/税込給与/手取りの違い

給与の話で混同しやすい3つの用語を、ここで統一します。本記事の数値はすべてこの定義に沿って読んでください。

用語意味
基本給手当を含まない給与の土台部分
税込給与通勤・住宅・夜勤手当等を含み、時間外手当を除く支給総額(日本看護協会の調査定義)
手取り税込給与から社会保険料・税金を控除した実際の受取額

日本看護協会の調査では、税込給与を次のように定義しています。

通勤手当・住宅手当・家族手当・夜勤手当・当直手当等を含み、時間外手当は含まない

出典:公益社団法人日本看護協会「2024年 病院看護実態調査報告書」(2025年3月公表)の調査定義

手取りの金額は、社会保険料率や扶養状況で一人ひとり変わります。正確な額は、自分の給与明細の控除欄で確認してください。

このH2のまとめ:手術室は専門資格が存在する清潔管理区域であり、給与を読み解く際は「基本給・税込給与・手取り」の区別が前提です。

手術室看護師(オペ看)の仕事内容|術前・術中・術後の流れ

オペ看の仕事は、術前の患者訪問と準備、術中の器械出し・外回り、術後の覚醒管理の3段階です。周術期(手術前後の時期)全体を支える役割で、感染防止や体位管理などの専門知識が欠かせません。

術前|患者訪問と不安軽減、手術準備

術前のオペ看は、手術が決まった患者のもとを訪れ、病状や不安を把握する「術前訪問」を行います。

患者から話を聞き、説明を重ねて不安を和らげる。それと並行して、手術に必要な器械・物品の準備や手術室環境の整備も担当します。

術中|器械出し・外回り・記録と専門知識

術中の役割は「器械出し」と「外回り」の2つです。器械出しは術野の直接介助、外回りは物品補給・記録・連携調整を担います。

国立成育医療研究センター看護部によると、手術室スタッフに必要な専門知識は次の通りです。

  • 体内への遺物遺残の防止
  • 手術部位感染の防止
  • スキントラブルの予防
  • 神経障害・深部静脈血栓の予防(体位管理)

この知識の広さが、オペ室が「高い専門性が求められる部署」と言われる根拠です。

術後|覚醒管理・搬送・申し送り

術後は麻酔からの覚醒を管理し、呼吸・循環の状態を観察しながら、病棟や回復室へ安全に搬送します。病棟看護師への申し送りまでがオペ看の仕事です。

覚醒直後は状態が急変しやすい時間帯。迅速な観察と判断が求められます。

【図解:術前→術中→術後の業務フロー】
術前訪問・準備 → 術中の器械出し・外回り → 術後の覚醒管理・搬送・申し送り、という3段階の流れを矢印で示した図解。各段階で必要なスキル(コミュニケーション/専門知識/観察力)が異なる点を視覚化する。

大変な点・向いている人・向いていない人

オペ室勤務の大変な点も、率直に挙げておきます。

  • オンコール待機(緊急呼出への待機)の精神的負担がある
  • 緊急手術への対応で、休日・夜間に呼び出されることがある
  • 術中は長時間の立ち仕事になり、1件数時間の手術もある
  • 遺残防止・感染防止など、覚えるべき専門知識の範囲が広い
  • 夜勤手当が減る分、施設によっては病棟勤務より月収が下がることがある

向いているのは、チーム医療が好きで、限られた時間に集中して動ける人です。反対に、待機中も気が休まらない人や、一人の患者とじっくり関わりたい人は、負担に感じやすいでしょう。向き不向きは性格の問題で、どちらが優れているという話ではありません。

このH2のまとめ:オペ看の仕事は術前・術中・術後の3段階で、専門知識とオンコール対応の両方が求められます。

手術室看護師の給料・年収|統計で読み解く基準値

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」は職種「看護師」単位の集計で配属部署別の内訳がなく、日本看護協会「2024年 病院看護実態調査」でも配属部署別の給与は集計されていない。したがってオペ看の待遇の基準値は、看護師全体の統計と手当構成の差で読み解きます。

【前提】「オペ看の平均年収」という統計は存在しない

「オペ看の年収は◯◯万円」と断定する記事はネット上にあります。ただ、厚生労働省・日本看護協会の公表統計では、配属部署別(手術室・病棟・外来)の給与集計は確認できません。

本記事は、確認できない統計を創作せず、確認できる一次データだけで基準値を示します。

看護師全体の平均年収と手取り(厚生労働省データ)

厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月公表)によると、看護師の平均的な水準は次の通りです。

項目金額種別
平均年齢42.1歳統計値
月収(きまって支給する現金給与額)365,900円統計値
年間賞与856,000円統計値
平均年収5,247,200円統計値(365,900円×12+856,000円で試算、公表値524万7,200円)
手取り年収の目安約394万〜420万円試算値(手取り率を7〜8割として概算した試算値)

出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(職種別の統計表はe-Stat(政府統計の総合窓口)でも公開)

看護師の平均年収は、前年の令和6年(2024年)調査から上昇しています。手取りの目安は控除内容で変わるため、あくまで試算と捉えてください。

勤続年数・学歴別の基本給と税込給与(日本看護協会データ)

日本看護協会「2024年 病院看護実態調査」(有効回答3,417施設)によると、看護師の基本給は新卒(高卒+3年課程)で209,697円、勤続10年(31〜32歳)の非管理職で250,380円である。基本給と税込給与の差が、手当の大きさを示します。

区分基本給税込給与差額(手当相当)
新卒(高卒+3年課程)209,697円276,127円66,430円
新卒(大卒)215,614円284,063円68,449円
勤続10年・非管理職250,380円334,325円83,945円

出典:公益社団法人日本看護協会「2024年 病院看護実態調査報告書」(2025年3月公表、調査期間2024年10月1日〜11月15日、有効回収率42.3%)

勤続10年で手当相当額は月8万円を超えます。看護師の収入は「基本給」だけでは実態が読めず、手当込みで比較する必要があるのはこのためです。

最新の2025年調査(2026年3月公表)では、新卒初任給の税込額は高卒+3年課程で285,078円、大卒で292,527円。勤続10年(31〜32歳)の非管理職は基本給254,286円・税込340,278円へ上昇しています。

一般労働者との比較|世間水準とどちらが高いか

令和7年調査における一般労働者全体の賃金(所定内給与額)は、男女計340,600円(前年比3.1%増)でした。

もっとも、看護師の365,900円は「きまって支給する現金給与額」(残業代を含む)で、一般労働者の所定内給与額とは定義が違います。単純な比較はできません。 看護師の平均には夜勤手当も含まれる点を踏まえて読む必要があります。

このH2のまとめ:オペ看の部署別統計は確認できず、看護師全体の平均年収524万7,200円と手当構成の差が判断の基準値です。

オペ室勤務の収入のしくみ|夜勤手当とオンコール手当

夜勤手当の金額に法律上の決まりはなく、労働基準法第37条で定められているのは22時から翌5時までの深夜労働に対する25%以上の割増賃金のみである。オンコールの待機時間に対する手当支給は法律で義務付けられておらず、金額は各医療機関の裁量で決まる。オペ室は夜勤が減りオンコールが増える構造のため、手当の内訳次第で職場差が大きくなります。

夜勤手当の相場と推移(日本看護協会データ)

日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」によると、夜勤手当1回あたりの平均額は次の通りです。

夜勤区分2024年度調査の平均額
三交替・準夜勤4,567円
三交替・深夜勤5,715円
二交替夜勤11,815円

出典:公益社団法人日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査報告書」

直近十数年の増加幅は1回あたり1,000円前後にとどまります。物価上昇を考えると、実質的な価値は上がっていません。

手術室はオンコール導入職場|待機手当の相場

手術室は、救急科・産科・訪問看護ステーションと並ぶ、オンコール体制の代表的な職場です。緊急手術に備えて自宅などで待機し、呼出があれば出勤します。

ただし、手術室を対象にしたオンコール手当の公的な相場データは確認できません。参考値として、日本看護協会の2024年度調査では、訪問看護事業所における待機のみのオンコール手当は1晩あたり平均2,353円(「1,000〜2,000円未満」が23.0%、「2,000〜3,000円未満」が20.2%)でした。

⚠️ 注意:上記は訪問看護事業所が対象の数値であり、手術室の相場とは限らない点に注意してください。

比較の目安として、病棟で月4回夜勤(準夜2回・深夜2回)をこなした場合の夜勤手当は、前出の平均額から約2万円(4,567円×2+5,715円×2=20,564円、本メディア試算)です。オペ室移行後のオンコール手当が夜勤手当の減少分をどこまで埋められるかは、施設の手当額と待機回数の実績で決まります。

夜勤が減ると月収はどう変わるか|損益分岐の考え方

オペ室異動で収入がどう変わるかは、次の計算式で自分で試算できます。

  1. 現在の夜勤手当:夜勤1回の手当額 × 月の回数
  2. 異動後のオンコール手当:待機1回の手当額 × 月の待機回数 + 呼出手当
  3. 差額 = 1 − 2

【図解:収入構造の違い】
病棟勤務は「基本給+夜勤手当」が収入の柱、オペ室勤務は「基本給+オンコール関連手当」が柱、という構造差を並べた模式図。夜勤手当の月額(1回あたり手当額×回数)と、オンコール手当の月額(待機手当額×月の待機回数+呼出手当)を各自の数値で埋めて比較する枠組みを示す。

待機回数が多く手当が手厚い職場なら、収支はほぼ変わらないこともあります。待機が少ない職場では減収もありえます。断定はできないからこそ、異動・応募の前に「月の待機回数の実績」と「手当額」の2点を確認してください。

夜勤手当・待機手当に関する法律のルール(労働基準法第37条)

法律で定められているのは深夜割増のみです。

使用者が、午後十時から午前五時までの間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第37条第4項

夜勤手当の「1回あたりの定額」は法定ではなく、施設の裁量です。待機時間への手当支給についても、厚生労働省は労働時間に該当するかどうかを「使用者の指揮命令下に置かれているか否か」で判断する考え方を示しています(厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」)。

自宅等待機が労働時間と扱われるかはケースによります。実際に呼出で働いた時間には時間外手当が必要ですが、待機しているだけの時間への支給は施設ごとの取り決めです。定額の夜勤手当も待機手当も施設裁量——この2点が、オペ室の待遇が職場によって大きく異なる制度的な理由です。

このH2のまとめ:オペ室は「夜勤手当↓・オンコール手当↑」の構造で、手当は施設裁量のため職場差が大きいのが実態です。

給料が上がる背景と、自分の待遇の妥当性を判定する方法

2024年度の診療報酬改定で「ベースアップ評価料」が新設され、看護職の賃上げが制度的に後押しされています。自分の待遇が妥当かどうかは、給与明細の基本給・夜勤手当・オンコール関連手当の3点を見れば判定できます。

ベースアップ評価料による2024〜2025年度の賃上げ

2024年度の診療報酬改定では、2023年12月の大臣折衝で0.61%のプラス改定が決まり、「ベースアップ評価料」が新設されました。医療機関には2024年度に2.5%、2025年度に2.0%の賃上げを行う方針が示されています(日本看護協会「令和6年度診療報酬改定 賃上げについて」)。

令和8年度(2026年度)の診療報酬改定ではベースアップ評価料の評価が見直され、継続的に賃上げを実施している医療機関が区別して評価される仕組みになりました(日本看護協会「令和8年度診療報酬改定」関連情報)。

⚠️ ただし、ベースアップ評価料はあくまで医療機関への収入配分です。個人の給与に一律2.5%が反映されるわけではなく、配分方法は施設の判断に委ねられています。

自分の給与明細で確認すべき3つのポイント

待遇の妥当性は、給与明細の次の3点で確認できます。

  1. 基本給:勤続年数に対して日看協調査の水準(勤続10年・非管理職で254,286円/2025年調査)と大きく乖離していないか
  2. 夜勤手当:1回あたりの金額が調査の平均額(準夜4,567円・深夜5,715円・二交替11,815円)と比べてどうか
  3. オンコール関連手当:待機手当の有無と金額、呼出時の手当が別途あるか

3点のうちオンコール手当は、就業規則への記載がない施設もあります。記載がなければ、実質的に無償の待機になっていないか確かめてください。

手当が少ないと感じたときの現実的な選択肢

手当に疑問を持ったときの選択肢は、一つではありません。

  • 就業規則・賃金規程で手当の根拠を確認する
  • 師長や人事に制度の見直し状況を尋ねる
  • 資格取得で資格手当の対象を増やす(次のH2で解説)
  • 待遇の開示度が高い職場への転職を検討する

すぐに転職が正解とは限りません。まず現職の制度確認から始めるのが現実的です。

このH2のまとめ:賃上げの制度背景を踏まえ、給与明細3点の確認で自分の待遇は自分で判定できます。

オペ看が年収を上げる現実的な方法

オペ看の収入を上げる公式ルートは、「手術看護認定看護師」の取得と「特定行為研修」の修了の2つです。ただし、資格が給与に反映されるかは施設の資格手当制度次第。取得すれば誰でも収入が上がるわけではありません。

手術看護認定看護師になる(制度・教育課程・期間)

手術看護認定看護師は、日本看護協会が認定する専門資格です。認定には実務経験と認定看護師教育機関での履修(A課程では615時間以上)が必要です(日本看護協会「認定看護師」)。

兵庫医科大学の例では、手術看護分野の教育課程は2013年7月に設置認可、同年10月に開講し、2021年度からは特定行為研修を組み込んだB課程も開講されています(兵庫医科大学「認定看護師教育課程」)。受験・履修には費用と期間がかかります。勤務先の支援制度(休職扱いや費用補助)の有無は、事前に確認しておきたいポイントです。

特定行為研修を修了する(修了者数と周術期領域)

特定行為研修は、手順書により38行為21区分の診療の補助が可能になる制度で、2015年10月に施行されました(厚生労働省「特定行為研修とは」)。

周術期に関わる行為も含まれ、オペ看との親和性が高い制度です。日本看護協会看護研修学校の修了者は2025年6月末現在で1,165人に上ります(日本看護協会「特定行為研修」)。

資格が給与に反映されるかは施設次第|確認方法

認定看護師や特定行為研修の修了者への資格手当は、法律で定められたものではなく施設の裁量です。月数千円の手当を出す施設もあれば、手当自体がない施設もあります。

確認方法はシンプルです。就業規則・賃金規程の「資格手当」欄を見てください。 資格取得は、収入増だけでなく、専門性の向上やキャリアの選択肢が広がる面も含めて判断したいところです。

このH2のまとめ:年収アップの現実的なルートは認定看護師と特定行為研修で、給与反映の有無は就業規則で確認できます。

オペ看のキャリアパスと手術室を取り巻く最新動向

オペ看のキャリアは、一般オペ看から学会認定の実践指導看護師、認定看護師、管理職へと階層があります。ロボット支援手術や周術期管理チームなど、役割が広がっている領域も押さえておきましょう。

実践指導看護師・認定看護師・管理職というキャリアの階層

日本手術看護学会は「実践指導看護師」の認定などを行っており、一般オペ看→実践指導看護師→手術看護認定看護師→管理職というキャリアの階層が整っています(日本手術看護学会)。年次大会や研修に参加しながら、専門性を段階的に高めていける仕組みです。

ロボット支援手術・周術期管理チームという新しい領域

日本手術看護学会の大会・研修では、周術期の体温管理や、ダヴィンチ手術(ロボット支援手術)における手術体位の管理がテーマに取り上げられています。

機器が進化するたびに、オペ看に求められる知識も更新されていく。手術室の仕事は技術進化とともに変わる——この視点は、長期的なキャリアを考えるうえで押さえておきたいところです。

働き先による違い(大学病院・総合病院・日帰り手術クリニック)

働き先で手術室の実態は大きく変わります。施設の規模・機能によって手術件数やオンコールの頻度は異なり、手当の水準も変わります。

年収だけでなく「待機の頻度」「手当の額」「症例の幅」の3点をセットで比較するのが、働き先選びの基本です。

このH2のまとめ:キャリアの階層と最新領域を押さえ、働き先は待機頻度・手当・症例の3点で比較しましょう。

転職を検討する場合の進め方(中立ガイド)

オペ室への転職は、転職サイト・エージェントの利用が向く人と、自力で進められる人に分かれます。比較の軸は「オペ室求人の有無」と「手当情報の開示度」の2点です。

転職サイト・エージェントを使うと効率が上がる人

次に当てはまる人は、転職サイトやエージェントを使うと効率が上がります。

  • 複数施設の手当・待機頻度を一度に比較したい人
  • 在職中で情報収集の時間が取りにくい人
  • 給与交渉や条件確認を代行してほしい人

自力で進められる人

次に当てはまる人は、自力でもスムーズに進められるでしょう。

  • 希望する施設がすでに決まっている人
  • 知人の紹介や施設の直接採用ページから応募できる人
  • 条件の優先順位が明確で、比較検討の必要が少ない人

オペ室求人を比較する際の観点(手当情報の開示度など)

オペ室求人を比較するときは、面接・見学で次の点を確認してください。

  • オンコール待機手当の1回あたりの金額
  • 月の待機回数・呼出回数の実績
  • 呼出出勤時の手当の有無
  • 資格手当(認定看護師等)の有無と金額

待機手当・呼出実績・資格手当を事前に開示している求人は、待遇面の透明性が高い職場と判断する材料になります。

このH2のまとめ:転職手段は向き不向きで選び、オペ室求人は手当情報の開示度で比較しましょう。

手術室・オペ看に関するよくある質問(FAQ)

検索の多い7つの疑問に、確認できるデータの範囲で答えます。金額はいずれも調査に基づく目安で、勤務先・地域・経験・雇用形態で変わります。

オペ看の年収はいくらですか?

厚生労働省・日本看護協会の公表統計では、配属部署別(手術室・病棟・外来)の給与集計は確認できません。基準値は看護師全体の平均年収524万7,200円(令和7年賃金構造基本統計調査)で、夜勤が減りオンコールが増える収入構造の差で実際の水準は上下します。

手術室は夜勤がないのに給料は下がらないの?

ケースによります。夜勤手当は月4回で約2万円(本メディア試算)になる一方、手術室に限定したオンコール手当の相場データは公的統計に存在しません。手当の額と待機回数の構成次第で、収入は変わります。

オンコール手当の相場は?妥当性の判断基準は?

手術室を対象とした相場データは確認できません。訪問看護事業所を対象とした日本看護協会の2024年度調査では、待機のみのオンコール手当は1晩あたり平均2,353円でした。待機手当は法的義務ではないため、就業規則への記載の有無と金額が妥当性の判断基準になります。

夜勤手当に法律上の決まりはある?

1回あたりの金額に法律上の決まりはありません。労働基準法第37条第4項で定められているのは、22時〜翌5時の労働に対する25%以上の割増賃金のみ。定額部分は施設の裁量です。

手術看護認定看護師は何人いる?取ると給料は上がる?

日本看護協会が分野別の登録者数を公表しています(実数は同協会の一覧で確認できます)。資格取得で給料が上がるかは施設の資格手当制度次第で、手当がない施設もあります。

オペ看に向いていない人は?

オンコール待機の負担を強く感じる人、緊急対応が苦手な人、一人の患者と長く関わりたい人には向きません。遺残防止・感染防止など、専門知識の学習範囲の広さも判断材料です。

最近看護師の給料が上がったと聞いたが?

2024年度診療報酬改定でベースアップ評価料が新設され、2024年度2.5%・2025年度2.0%の賃上げ方針が示されました。令和8年度改定でも、継続的に賃上げする医療機関を区別して評価する見直しが行われています。ただし配分は施設ごとの判断で、全員に一律に反映されるものではありません。

このH2のまとめ:疑問の多くは「統計の限界」と「手当は施設裁量」の2点を押さえれば整理できます。

参考文献

  1. 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和7年調査、2026年3月公表)
  2. e-Stat(政府統計の総合窓口)「賃金構造基本統計調査」職種別統計表
  3. 厚生労働省「医療施設調査」
  4. 厚生労働省「特定行為研修とは」
  5. 公益社団法人日本看護協会「2024年 病院看護実態調査報告書」(2025年3月公表)
  6. 公益社団法人日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査報告書」
  7. 公益社団法人日本看護協会「令和6年度診療報酬改定 賃上げについて」
  8. 公益社団法人日本看護協会「認定看護師」
  9. 公益社団法人日本看護協会「特定行為研修」
  10. 日本手術看護学会
  11. 日本手術看護学会誌(J-STAGE)
  12. 国立成育医療研究センター 看護部「手術看護認定看護師」
  13. 兵庫医科大学「認定看護師教育課程(手術看護分野)」
  14. e-Gov法令検索「労働基準法」

※本記事の金額はすべて調査に基づく目安です。賃金構造基本統計調査と病院看護実態調査は毎年、医療施設調査(静態調査)は3年周期で公表されるため、次回公表時に内容を更新します。本記事は医療・看護の専門家による監修を予定しており、確定後に監修者情報を追記します。

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